333DISCS PRESS
●国立の街角から
「old cafe ときの木」
チェーン系ではない良質の喫茶店がいくつかある街は素敵な街だと思う。国立にも、以前このコーナーで紹介したロージナ茶房をはじめ、書簡集、ぶん、ひょうたん島…などなど、それぞれオーナーの個性が表れた店が少なからず存在する。どれも「カフェ」というより「喫茶店」という言葉がしっくりくるような雰囲気だ。(かつてロージナ茶房の隣に、コーヒー好きの人々に愛された「邪宗門」があったのだが、4年ほど前に惜しまれつつ閉店してしまった。)
昨年、新たに「ときの木」という喫茶店がオープンしたことを友人のツイートで知った。聞いてみると駅から斜めに伸びる商店街を、歩いて数分の便利な場所。ワクワクしながら早速行ってみた。
店名にcafeと入っているが、どちらかと言えば「喫茶店」と言いたいような、濃い色の木が使われたシックな内装。出されたコーヒーも、接客も全てに丁寧さが感じられる。初めて訪れたとは思えないぐらい落ち着くのに、かすかに緊張感も漂ってそれがまた心地よい。若いオーナー夫婦は、吉祥寺のある有名な喫茶店で働いていたという話を友人から聞き、なるほどと納得した。オープンから一年たっていないとは思えないほど国立に馴染んでいる。静かに、長く続いて欲しいと思う。