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●乙女歌謡

こんにちは。甲斐みのりです。今回はちょっと、横にそれたお話しから。

「憩いのひととき」で長らく「乙女歌謡」のコーナーを担当させていただき、日本語の女性ボーカルという制約を課して曲のご紹介をしてきたためか、ここ数年、音楽の話しをするとき、私は日本の歌謡曲しか聴かないという前提でお話しをされることがよくあります。けれども実は私、普段から、「乙女歌謡」のコーナーで紹介しているような音楽を聴いているわけではないのです。

「乙女歌謡」のコーナーで紹介させていただいている曲は、少女時代〜大学時代までの記憶を辿ってのご紹介。その少女時代〜大学時代も、フランスや北欧の音楽やレーベルに夢中になってもいたので、私の頭の中の音楽タンクの乙女歌謡の割合は、実はほんの一部。この頃は、渋谷のタワーレコードの5階で視聴する時間が至福です。

凛とした12月の夜、よく聴いていたのは……。「憩いのひととき」の執筆仲間、三品輝起さんのレーベルから出ているsansdeer「Grand Tour」、デザイナーでもある青木隼人さんの「guitar solo」、それからharuka nakamura「grace」、world’s end girlfriend が手がけた、映画「空気人形」のサウンドトラックなどなど。今年はもっともっと、いろんな音楽、聴きたいなあと思います。

さてさて。「乙女歌謡」に戻ります。この春、この歌の歌詞のような気持ちで過ごしたいと思うのです。

■原田知世さん「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ〜」

「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ〜」は、1983年に原田知世さん主演のミュージカル「あしながおじさん」の主題歌として松任谷由実さんがつくった歌。作詞・作曲を手がけた松任谷由実さん自身も歌っていますが、私は儚気でもあるけれど、明日を信じる力強さを秘めた原田知世さんの歌声でこの歌を聴くのがとても好き。

これまでの全て、今この瞬間のためにあったのだと思っていたい。後悔したこともあるけれど、これからは。出会えた人、見たり聴いたりできたものを、きっとこの時間の先にすてきななにかをもたらしてくれるはずだからと、大切にしていきたい。

 

甲斐みのり

文筆家。1976年静岡生まれ。旅・お菓子・各地の食材・クラシックホテルや文化財の温泉宿などを主な題材に、女性が憧れ好むものについて書き綴る。
http://www.loule.net/