333DISCS PRESS
●乙女歌謡
こんにちは。甲斐みのりです。333pressの乙女歌謡コーナーでは、日本語の歌に限らず、私が10代の頃に夢中になっていた、愛らしい歌をご紹介していこうと思います。
今回ご紹介するのが、marie laforetの「saint-tropez blues」。1960年フランス語の原題では「saint-tropez blues」、日本では「赤と青のブルース」というタイトルで翌年に公開された映画の主題歌。共演俳優のJacques Higelinは今、Pierre Barouhが設立したSaravahレーベルでミュージシャンとして活躍しています。 ストーリーは、南仏のリゾート地での、若者同士の恋物語。正直、お話しにひきこまれたのではなく、映画の中でmarie laforetが、パーティーの途中、ギターを弾きながら「saint-tropez blues」を歌うシーンに一目惚れし、そのシーンばかりを繰り返し観ていました。
http://www.dailymotion.com/video/x3h9u_saint-tropez-blues-marie-laforet_music
それから、二十歳前後、最初はどこか旅にでかけるときこの歌を必ず聴いていたのですが、その後は、「人生のテーマ曲」とまで語っていた時期もありました。最近になって、よくよく歌詞を訳してみると、とりわけ内容があるわけでありませんでしたが。映画の中のmarie laforetが、若かった私にはきらきら輝いて見えて、おとなの女性に見えたのです。それから憧れの象徴に。今でもやっぱり、旅行にでかけるときには必ず、この歌をカバンの中にしのばせてでかけます。
甲斐みのり
文筆家。1976年静岡生まれ。旅・お菓子・各地の食材・クラシックホテルや文化財の温泉宿などを主な題材に、女性が憧れ好むものについて書き綴る。http://www.loule.net/