333DISCS PRESS

●「一週間の休みと予算10万円」で旅に出るとしたら?

【goro】船でロシアに行ってみたい。料金はいくらかかるかわからないのですが、ウラジオストクまで、港に着いたら魚料理食べて、、、10万円でたりるのか?

【tico moon影山敏彦】5万円で自転車を購入。残りの5万円と自分の足で行けるところまで一人旅。何も考えずにひたすら走ります。

【tico moon吉野友加】普段楽器を持って、車で移動する旅が多いので、楽器を持たずに、のんびりと身軽に歩き回る電車の旅をしてみたいです。ただ身軽というだけで、特別な旅の感覚になれそうです。

【甲斐みのり】旅の紀行文などを書く仕事で、ときどきひとり旅をすることもあるのですが、そのたびにおしいものを食べたときには「おいしいね」、きれいな景色をみたときは「きれいだね」、と言いあえる人がいることの大切さを感じています。ひとりだと、おいしいものを食べても、「おいしい」という言葉までのみこまなければいけなくて。ですからせっかくの1週間と10万とう予算があったら、親しい人と一緒の旅がいい。

今年の3月に福島、宮城、盛岡と、こけしの産地を巡る旅をしました。こけしの産地と温泉はつきもので、湯治(長期滞在型で自炊ができる)宿に宿泊しました。1週間あったら東北の湯治宿を巡り巡って過ごしたいです。もしくは、この春、東京から別府に住まいを移した友人に会いに別府温泉の湯治宿というのもいいなあ。そのうち1泊は湯布院「亀の井別荘」に泊まったりして。

【葉田いづみ】長崎、福岡、熊本、鹿児島…と九州を巡ってみたいです。国内旅行で一週間って贅沢な感じで学生のとき以来ないですね。

【阿部桂太郎】家族皆で、フランスの田舎へ。特に何をするということもなく、ただ、のんびり、ゆっくりと、小さな村々を巡りたい。

【三品輝起】1人でニューヨーク、ニックのいたウエストエッグへ。

【青芝和行】何も決めずクルマで走り出して勘をたよりに良さそうな温泉地を探す。宿で翌日目指す方角を大まかに決める。勘をたよりに良さそうな温泉地を探す。の、繰り返し。一週間、そういう双六みたいな旅が出来たら楽しいかなと。もちろん一人で。

【岩崎一絵】尾道から今治まで、しまなみ海道サイクリング。島々の民宿に泊まりながらじっくり。

【伊藤葉子】一人で断食道場。奈良県とかよさそうかな~とか(http://www.danjiki.jp/cost.html)、ホテルでもやってるんですねー(http://www.princehotels.co.jp/danjiki/)。体験者の方!おすすめがあればぜひ教えてください!

●人生最初の記憶は、何歳頃の、どんなものですか?

【goro】記憶を整理するのに時間がかかりますね、写真で見た記憶と、実体験としての記憶がごっちゃになってます。今ぱっと思い出したのは家出した思い出ですね、昔住んでいた所まで(生まれた家、)歩きで、隣のおうちでカレー食べて、帰りはそこんちのおねいさんに手を引かれて帰った。そのおねいさんが僕を連れて来たお駄賃として50円もらってたのが鮮明に覚えています。『50円!すごい!』

【tico moon影山敏彦】多分4才くらい。プールで遊んでいてうっかり水に顔をつけてしまい、溺れかけた記憶。それからしばらくは水が怖かった覚えがあります。

【tico moon吉野友加】2歳の年の12月8日。弟が産まれた日の記憶。母が入院している病院へお見舞いに行った帰り道、伯母に手を引かれて歩いていると、

白い空から雪がヒラヒラと降ってきた、という記憶。たぶんこれが一番古そうです。

【甲斐みのり】それが何歳の自分なのか、定かでないほどちいさなとき。布団の中、眠りにつく前、隣で添い寝してくれている母がいなくなってしまわないように、ぎゅっと袖をつかんでいたこと。

【葉田いづみ】2~3歳ごろ、引っ越し予定の社宅の改装現場を見に行った記憶があります。母の話では、私が「この家に住むのは嫌な気がする」と言ったそう。たぶん、かなり古かったのでしょう。

【阿部桂太郎】4~5歳頃の、故郷(新潟県小千谷市)の風景。実家の前の春の様子です。土筆が顔を出し、淡い紫色の桐の花が咲いているのが見えます。

【三品輝起】オムツをはいて(よって2歳くらい?)濃い緑の庭で白鳥のオマルにまたがっている。しかし残念だけど、写真によって遡及された偽りの記憶だと思う。

【青芝和行】どこかわからない、陽当たりのいい場所でクルマのおもちゃで遊んでる映像が浮かぶんですが、おそらく2歳から3歳頃の記憶じゃないかと思います。

【岩崎一絵】3歳の頃、妹が生まれる直前に水疱瘡にかかり、遠く海沿いにある祖父母宅に預けられた時の記憶。今は亡き祖母とかぼちゃ団子を作ったことを鮮明に覚えています。

【伊藤葉子】4、5歳の頃?眼科にいって、目を洗ってもらった記憶かな~~。目の下に銀色の漏斗みたいのをあてて、先生が生理食塩水?をかけて、冷たいな~と思ったような。

●5~7月におすすめのイベント

【伊藤葉子】ずばり、6/30(土)にニセコで開催します『森のカフェフェス』と、6月からスタートする原田知世さんと伊藤ゴローのon-doc.(オンドク)ツアーです!『森のカフェフェス』の為に、昨年11月から今までに3回ニセコに伺っております。空気がきれい!自然が美しい、食べ物もおいしいし、人もやさしくてとにかく素晴らしいんです。そこでカフェフェス!素晴らしいアーティストと素敵なカフェが!もう待ち遠しいです。(準備はまだまだですが^^;; やばいっ!)今年は原田知世さんデビュー30周年、全国各地で企画しています朗読会『on-doc.(オンドク)』も、素敵なイベントになりますよ~。どちらもぜひお越し頂きたいです。

【goro】5/5青山スパイラルで平出隆さんとトークイベント&ライブがあります。フリーなので皆様是非。

5/25には立川の書店オリオンパピルスにて、6/16はタワーレコード渋谷でもインストアライブがあります。

4/25にリリースした『GLASHAUS』特設サイトでブログも更新中です。

【tico moon】5月はtico moonツアーで西へ。5/2 高松、5/3 徳島、5/4 高知、5/6 山口、5/13 静岡、5/18 京都、5/19 岡山、5/20 松江でライブがあります。詳細は tico moon HPをご覧ください。

また、6月はニセコで開催される『森のカフェフェス』に参加させていただきます。
その他、札幌、旭川でもライブを予定しています。こちらも決まり次第HPでお知らせさせていただきます。

【甲斐みのり】(1)2012年5月10日(木)~ 5月26日(土)横浜 greenpoint books & thingsにて、甲斐みのり新刊『静岡百景』発売記念展をおこないます。本書で静岡の美しい風景を撮影した和田直美さんの写真展の他、甲斐みのりが厳選した静岡銘菓や、富士山グッズなどの販売も。最終日の5/26には甲斐みのりが店主となり、静岡の銘菓をお楽しみいただく「静岡喫茶」を開催。

(2)5月27日(日)「東京蚤の市」で、乙女歌謡イベントのトークショーを開催。洋楽カバーの日本の歌について、333DISCSのジャケットイラストでもおなじみ、イラストレーターの石坂しづかさんとお話させていただきます。

(3)その他にも、『静岡百景』発売記念の音楽イベントなども予定しています。

【葉田いづみ】東京都現代美術館で5/19から始まるトーマス・デマンド展。作品集は持っていますが実際の写真を観るのは初めて。期待しています。紙で制作した作品を撮影し、写真のみを展示してもとの制作物は破棄してしまうという珍しい手法です。

【阿部桂太郎】セーヌ河岸でのピクニック。ゆっくりと暮れていく時間の中で、穏やかなセーヌの川面を眺めつつ、飲んだり、食べたり。

【三品輝起】東京・西荻窪にて6月2日と3日、「チャサンポー(西荻茶散歩)」というイベントがあります。「やかんマーク」をかかげた街中の店(FALLを含む84店舗参加!)で、無料のお茶が飲めたり、特典が楽しめたりします。

【青芝和行】5月にMose Allisonという84歳のジャズ・ピアニストのライブに行くのが楽しみです。去年来るはずが体調不良で延期になって、やっと実現したライブなので。しかも初来日。
あとは、もちろん6月のニセコ、森のカフェフェスで決まりでしょう!

●パリの街角から

「この街」

パリの5区、長女が通う幼稚園の近くに、小さな本屋さんがあります。2つの通りの角に立つその本屋さんには、2つの通りに面して大きなショーウィンドウがあり、たくさんの本が並べられています。僕は毎朝、長女を幼稚園まで送った後に、そのショーウィンドウを覘くことを楽しみにしています。この本屋さんは、パリに関する本に力を入れていらっしゃるのか、様々な本が並んでいます。パリに関する小説やエッセイ、絵本に画集、写真集など、僕が思っている以上にたくさんの本があるようです。またその中には、色鮮やかな表紙や美しい挿し絵を見ただけで、衝動買いしたくなるような本もあります。

一方、我が家にも、パリに関する本があります。子ども達の本棚にある絵本や、図書館から借りてきた本、僕の本棚にあるパリの古地図に関する本など。そのどれもが美しい色使いであり、また、パリの街が優しく描かれていて、何度も手に取っては眺めています。

そして、本屋さんのショーウィンドウを覘いている時も、また、自宅で本を眺めている時も、いま、自分が住んでいるこの街の、身近な場所について書かれているのを読んだり(フランス語はほとんど読めませんが…)、身近な風景が描かれているのを見たりすると、何故だか、とても嬉しくなります。

さらに、これらの本を読んだり見たりした後に街へ出ると、より一層、この街が素敵に見えてきます。

外国人が生きていく上では、不便なことも、不条理なことも、思い通りにならないこともたくさんあるこの街ですが、そのすべてを含めても、プラスマイナスでプラスになるように、いまの僕は感じています。

アメリカの小説家アーネスト ヘミングウェイは、若き日の数年間をこの街で過ごし、後年、友人にこんな言葉を残しています。「君が幸運にも青年時代にパリに住んだとしたら、パリは一生君についてまわる。何故ならパリは移動祝祭日だからだ。」…と。

あいにく僕は、すでに青年とは言い難い年齢ですが、何となく、そしてほんの少しだけ、ヘミングウェイの言葉が解るような気がします。そしてまた、先に掲げたパリに関する本の作者たちも、その思い入れの強い弱いはあるにせよ、きっと皆、同じような気持ちなのではないかと、僕は思います。

今回は、フランス、パリに対する、いまの僕の気持ちを、少しだけお話いたしました。

阿部桂太郎

1965年8月22日生まれ。新潟県小千谷市出身。2003年よりフランス、パリ在住。インターネットショップ「フルール ド クール」を営む。好きなことは、旅をすること、食べること、温泉に入ること。

 

●国立の街角から

「old cafe ときの木」

チェーン系ではない良質の喫茶店がいくつかある街は素敵な街だと思う。国立にも、以前このコーナーで紹介したロージナ茶房をはじめ、書簡集、ぶん、ひょうたん島…などなど、それぞれオーナーの個性が表れた店が少なからず存在する。どれも「カフェ」というより「喫茶店」という言葉がしっくりくるような雰囲気だ。(かつてロージナ茶房の隣に、コーヒー好きの人々に愛された「邪宗門」があったのだが、4年ほど前に惜しまれつつ閉店してしまった。)

 

昨年、新たに「ときの木」という喫茶店がオープンしたことを友人のツイートで知った。聞いてみると駅から斜めに伸びる商店街を、歩いて数分の便利な場所。ワクワクしながら早速行ってみた。

店名にcafeと入っているが、どちらかと言えば「喫茶店」と言いたいような、濃い色の木が使われたシックな内装。出されたコーヒーも、接客も全てに丁寧さが感じられる。初めて訪れたとは思えないぐらい落ち着くのに、かすかに緊張感も漂ってそれがまた心地よい。若いオーナー夫婦は、吉祥寺のある有名な喫茶店で働いていたという話を友人から聞き、なるほどと納得した。オープンから一年たっていないとは思えないほど国立に馴染んでいる。静かに、長く続いて欲しいと思う。

葉田いづみ
グラフィック・デザイナー。主に書籍のデザインを手がける。静岡県出身。2009年より国立に暮らす。